鯨を食べて何が悪い -NYタイムズへの意見広告- (四)
今日、反捕鯨最大の理由は、鯨を環境のシンボルとして捉えている点にあります。ここに至る迄に政治秘話があるのです。ベトナム戦争当時、アメリカはベトナムに大量の枯葉剤を投下したのです。国連で直にこれが問題となり、時のスウェーデンのパルメ首相が緊急提案として、この枯葉剤使用禁止を要求してきました。地球環境を著しく阻害するからです。所が、これに慌てたのがアメリカでした。
大統領選挙を控え、ニクソンが危ない。それでなくとも、ベトナム戦争へのアメリカ国民は厭世的ムードにありました。ちょうど、今の対イラク戦争とも似た部分があります。このままでは、対立候補のマクガバンに敗れる。ニクソン陣営はあせりました。枯葉剤はよくない。地球環境を著しく阻害する。国連のムードも何となく集約されそうな雰囲気の中、ニクソン政権下、国務長官キッシンジャーの戦略が登場します。
この枯葉剤に対抗する地球環境のシンボルとして鯨が取り上げられました。無論、日本はまるで気付きません。あれよ、あれよと言う間に、鯨は地球環境のシンボルとして祭り上げられてしまったのです。対食文化としての鯨論争は彼等に通じません。あるいは、知っていて空っとぼけているのかも判りません。猿や犬を食べる国もあります。キツネ狩りをして楽しむイギリス貴族もおります。食に関わる文化は、各国千差万別なのです。



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